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READ 2 INNOVATE! 読書からイノベーションを起こす情報集!

『1冊20分読まずに、「わかる!」すごい読書術の』の著者渡邊康弘が、最新のビジネス書をはじめ、読書会や読書法など、読書とイノベーションに関する様々な情報をお届けするブログです。

MIT気鋭の研究者が描く『情報と秩序』セザー・ ヒダルゴ (著), 千葉 敏生 (翻訳) 早川書房 (2017/4/20)

今日のの一冊はですね、
『情報と秩序』
セザー・ヒダルコ氏が書いた一冊のご紹介です。

本書の副題は、「原子から経済まで動かす根本原理を求めて」と言うことで、
難しい一冊なのですが、知的好奇心を満たしてくれる一冊かと存じます。

著者のセダー・ヒダルコ氏はMITメディアラボの准教授。
非常に注目をされている気鋭の研究者です。

なぜ、注目をされているのかといえば、
これまで、一般的な経済成長指数「GDP」とは
まったく違った指標を打ち出したからです。

その指標とは、情報成長をベースにした
経済複雑性指標(Economic Complexity Index)というものです。

この経済複雑性指標の概念には、
「想像の結晶」というコンセプトがあります。

この「想像の結晶」とは、イメージから商品を作っていくもの。
ただ生産をして終わりではなく、何もない無からはじめて
想像したものを作り出していく力のことです。

経済成長の著しい場所は、ほうっておけば、混沌が支配するはずの
物理世界で情報が結集し、秩序が形成されるポイント。
すなわち、この「想像の結晶化」が作用される場所のことだと
著者はいいます。

複雑系科学やネットワーク理論を駆使して開発された
「経済複雑性指標」。

WIRED誌で「世界を変える50人」に選ばれ、
セダー・ヒダルコ氏の思考を体験できる一冊です。

 

情報と秩序:原子から経済までを動かす根本原理を求めて

情報と秩序:原子から経済までを動かす根本原理を求めて

 

 

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■本書の共鳴ポイント

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情報は稀少だ。
情報は、宇宙の各所にあるポケットに隠れながら、
無秩序への更新、つまり、エントロピーの増大と戦う。

本書は情報の成長、つまり情報がランダム性と戦いながら成長していく
メカニズムを扱ったものだ。

私たちの生み出すものすべてが情報なのだ。
なぜなら、情報はメッセージに限られないからだ。
情報は私たちの生み出す物理的なモノのすべてに内在する。

想像力こそ、私たちの周囲の見えない世界、科学の世界を見通す力なのです。
それは、ここにあるもの、つまり私たちに見えない、
五感ではとらえきれない真実を感じ、発見する力です。
-エイダ・ラブレス

想像を結晶化する能力は、主に三つの理由で人類にメリットをもたらす。

ひとめに、本物の天才などいない社会をつくりだす。
つまり、集団の能力の総和が個々の知識を大幅に上回るような社会だ。

ふたつめに、想像を結晶化すれば、知識の実用的用途を
ほかの人々と共有できる。

三つめに、製品のもたらす増強効果によって、人々は新しい表現形態を
自由に探し、新しい能力を手に入れられるようになる。


ひとりの人間の神経系が蓄積できる知識やノウハウの最大量のことを、
私たちは「パーソンバイト(personbyte)」と呼んでいる。

想像の結晶化に必要な知識やノウハウを保持できる構造を、
経済がいかにして生み出すのかを知ることなのだ。

まずひとつめのポイントは、
生産ネットワークの規模と、そのネットワークが具象化できる知識や
ノウハウの量とには関係がある

ふたつめのポイントは、巨大なネットワークを築けるかどうかは、
関係構築のコストによるということ。

三つめのポイントは、私たちが集団レベルで知識やノウハウを
蓄積するときに用いるネットワークの構造には、
根本的な境目、つまり分岐点のようなものが存在するということ。

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いやぁ、原書で読んで、すごい理論なのは、わかったのですが、
翻訳書、日本語で読んでも、
まだまだ深めたいところがあるんですね。

おそらく、著者がいいたいことと、
それを理論にしていくのはそれなりの年月が必要なのでは
ないかなと思っています。

ただ、この本の重要な概念は、
何度も本書で取り上げられている「想像の結晶化」。

これは、いわれてみれば当たり前なのですが、
人間の力そのものなのですよね。

想像の結晶化。
これが一体どのようなものかと言うのをですね、

みなさん、アップルと聞いた時に何をイメージしますか?

ひとつは、日本で言うりんごを想像すると思います。
そしてもう一つは、アップル社、iPhoneとか、iPadとかを
思い浮かべるかもしれません。

この二種類の違いは、後者が人間の想像の産物であるということです。
これを、「想像の結晶」とセダルコ氏は言っているんですね。

複雑な経済活動とは、想像を結晶に変えることであり、
想像を結晶に変える能力が高ければ、高い程、
その経済は複雑に洗練されていくと言うんです。

いやぁ、おもしろいけど、複雑。

セダルコ氏は、MITメディアラボで次々と研究をしていること。
これからも楽しみですね。

渡邊

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『情報と秩序:原子から経済までを動かす根本原理を求めて』
セザー・ ヒダルゴ (著), 千葉 敏生 (翻訳)
http://amzn.to/2oHWLxr
単行本: 288ページ
出版社: 早川書房 (2017/4/20)

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