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READ 2 INNOVATE! 読書からイノベーションを起こす情報集!

『1冊20分読まずに、「わかる!」すごい読書術の』の著者渡邊康弘が、最新のビジネス書をはじめ、読書会や読書法など、読書とイノベーションに関する様々な情報をお届けするブログです。

【前向きな思想家が築いた科学のバトン】書評:『この世界を知るための人類と科学の400万年史』レナード ムロディナウ (著), 水谷 淳 (翻訳) 河出書房新社 (2016/5/14)

本日紹介の一冊は、

私が最も愛しているサイエンスライターの最新作。

レナード・ムロディナウ著の
『この世界を知るための人類と科学の400万年史』

f:id:read2innovate:20160811003620j:plain

 

この本は私の本と同じ時期に発売されていて、
発売日と同時に手にしたのだけど、
どうも、読む気になれなかったのです。

まず、タイトルがわかっていないのです、笑。
レナード氏の大事な概念とずれているし、
ちょっとページをひらけば、
肝心な部分が、違った訳になっていて、、、、

原著のイメージからかけ離れている翻訳書って
どうも読む気がしないのですね。

そんなときに助かるのが、
レゾナンスリーディング。

おかげで、なんとか読めました、笑。

この世界を知るための 人類と科学の400万年史

この世界を知るための 人類と科学の400万年史

 

 

まず、この本を理解するためには、
「なぜ、この本が書かれたのか?」

本を書くには相当な体力と想いが必要だ。

原著名は、
『THE UPRIGHT THINKERS
The Human Journey from Living in Trees
to Understanding the Cosmos』

直訳すれば、
『前向きな思想家たち
原始の生活から宇宙を知る現代までの人類史』

ここからわかるように、翻訳書のタイトルには、
「前向きな思想家」が抜けてしまっている。

本作を理解するには、
この「前向きな思想家」をなしには語れない。

というのもレナード・ムロディナウは、
前作『しらずしらず』の最終結論として、
物理学の観点から脳科学を見た時に、
「前向きな錯覚」を持つことが、
社会や個人の観点から利点となることが多数あると
述べている。

だからこそ、
「前向きな錯覚」を持った方が
人生がよりよく生きられるし、
両親は、「前向きな錯覚」を持って、
子どもたちを育てているという結論であった。

本書はその観点から、
着想がスタートしている。


それは、
人類の歴史を作ってきたいくつもの発明。

人類が森での生活から、宇宙を理解し、
さまざまなテクノロジーを使いこなす現代にいたる
発明や発見は、いったいどこから来たのか?

その発明や発見をした科学者たちは、
「前向きな錯覚」を持ち合わせて、
いろんな事象に取り組んだのではないか?

この問いこそが、
本書を完成まで結びついた、
レナード・ムロディナウの
書く原動力だ。


本書は、
ヒトとは何か?からはじまり、
文明、さらには、科学。

ピタゴラスアリストテレスガリレオ
ニュートン、ボイル、プリーストリー、
メンデレーエフ、レディ、ダーウィン、ブランク、
アインシュタイン、ボーア、ラザフォード、
ハイゼンベルクシュレーディンガー

と現代に至るまでの科学者の発明の
その瞬間を追うことができる。

本書によって、
物理世界に関する人々の思考のルーツ、
その科学者たちが自分自身にあてた問い。

文化や信仰体系が人類の探究に及ぼした影響を
知ることができる。

そしてそれらは、科学者や革新者たちが
どのように考え、その結論に至ったのか
「物語」だ。

416ページにわたる分厚い本を
読み終えたとき、何百年にもわたる科学史が過ぎ去り、
いま、この瞬間へと暖かい心ともに、
ポツンと引き戻されるのような感じがするだろう。

本書は骨太の一冊。訳が気になるが、ぜひ読んでほしい。

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本書に共鳴されたポイント

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アインシュタインが言ったように、科学は、
「人間のどんな取り組みとも同じく、主観的で心理的に条件づけられている。」

我々人間がこれらの動物と違う点は、過去の知識や革新をもとにして
さらに進んで行くことができる唯一の動物であることらしい。

考え方がや知識が広まるためには、
ウイルスと同じくいくつかの条件が必要だ。

進化遺伝学者のマーク・トーマスは、
「新しいアイデアを考えつくには、どれだけ賢いかでなく、
どれだけ人間関係が深いかが重要だ」と言っている。

ジルゼルいわく、
我々は誰しも自分の生活を綴った物語を心の中で紡ぐ。

ヨーロッパの大学は、
人々が集まっては考え方を共有して
議論するしくみのおかげもあって、
科学の進歩を大きく後押しした。

最近の研究によると、数学に秀でた学生のうち、
会話能力が低い方が科学の道に進む傾向が強いという。

ニュートンの天才たるゆえんは、ガリレオと同じく、
現実世界に存在する無数の複雑な要因を見抜いて
それを削ぎ落とし、もっと基本的なレベルで作用する簡潔な法則を
白日のもとにさらしたことにあったのだ。

皮肉なことに、アインシュタインの相対論を吸収して
理解した偉大な物理学者の中で、もっとも感銘をうけなかったのは
アインシュタイン本人だった。

自分でも驚いたことに、それまで物理世界を理解しようと
人間なりに努力してきて学んだことは、
自分を人情味のない人間にするのではなく、
逆に力を与えてくれるのだとそのとき感じた。

私が永遠に行きたいと思う理由の中で、上位に来るのが、
自分の「問い」に対する「解」を見つけることにある。
だから、私は科学者になったのだ。いまならそう感じる。

 

この世界を知るための 人類と科学の400万年史

この世界を知るための 人類と科学の400万年史